今世界中で日本のアニメが高く評価されています。『サマーウォーズ』(2009年)や『未来のミライ』(2018年)など世界的大ヒット映画を撮り続けているアニメーション映画監督の細田守氏がご自身の作品以外の「今絶対に見てほしい5つのアニメ」を4chの「世界一受けたい授業」で紹介していました。
赤毛のアン
1979年世界名作劇場で放送されていたアニメ。監督によると、第一話の主人公を印象付ける方法がすごいとのこと。第一話主人公のアンが養子としてある家族に引き取られるお話。馬車に乗りその家族の家へ向かうのですが、その間ずっとアンは馬車の上でおしゃべりを続けます。そしてなんと新しい家に到着しないまま第一話が終わってしまうのです。この衝撃的な演出でおしゃべりを続けるアンがどういう子かということを印象付けているのです。細田監督は小学生の時、大学生の時、社会人になってからと何回もこの作品を見ているが見るたびに見え方が違ったとのこと。子供から大人まで幅広い世代に見てほしい作品なのだそうです。
劇場版 エースをねらえ!
テレビアニメ半年分を90分に濃縮する工夫がすごい。高校のテニス部が舞台のアニメ作品。厳しすぎる練習をやめるようコーチに先輩が進言するシーンがすごい。普通だったら先輩がコーチの部屋に行ってコーチと対面してからセリフが始まるのですが、前振りを極限までそぎ落としており、シーンはいきなり先輩が膝ま突いてコーチに訴える場面から始まる。いっけん唐突のように見えるが見終わったら二人の気持ちがわかるようになっている。これは出﨑統監督という日本アニメ界最高の監督の代表作。他にも画面を何分割にもしたり映像を止めたりといった演出も出﨑演出と呼ばれアニメの歴史に名を残している。
機動戦士ガンダム
ガンダムをあくまでも乗り物として表現しているのが革新的。主人公のアムロが初めてガンダムに乗り込む際、ガンダムのコックピットにかぶされたビニールシートをはがすシーンがある。ビニールシートがあるだけでガンダムを感情のあるロボットではない、鉄腕アトム的なものではない、あくまでも乗り物としてガンダムを表現していくんだという意思をしめした素晴らしいアイディアだった。またこのシートをはがすという一見不必要なシーンを入れることでリアリティーをも生み出している。
劇場版 銀河鉄道999
1979年に公開された りんたろう監督 の作品。戦闘シーンの描き方が新しく、且つすごい。暗闇に伸びるピンクと水色の光線。爆発の後に現れるアルカディア号。監督曰く、戦闘シーンなのにフォルムといい色といい美しい。いまだにこれを超える戦闘シーンを見たことがない。とにかく独創的でキレイ。
ルパン三世 カリオストロの城
あの宮崎駿さんの映画初監督作品。実写ではできないアニメならではのシーンがすごい。伝説的なカーチェイサーのシーンはアニメーター友永和秀さんが描いたもの。実は友永さんは運転免許を持っていない。細田監督いわく、もしかしたら車を運転したことがないからこそアニメでしか表現できないすごい臨場感や斬新なシーンを生み出せたのかもしれない。ルパンが屋根を駆け降りるシーンはアニメーター田中敦子さんが描いた。ありえないバタバタした手足の動きが躍動感を演出している。実は田中敦子さん、細田監督の最新作『竜とそばかすの姫』にも参加していて、主人公のすずがヒロちゃんの家に駆けこんでくる場面で大げさなくらいの手足の動きですずの焦る心境を表現している。
まとめ
今回紹介されたアニメは実はすべて1979年に公開されたもの。当時小学6年生だった細田監督は、この当時すでに宮崎駿さんやりんたろう監督のようなアニメディレクターになりたいと書いています。これらの作品は今を輝く細田守監督を目覚めさせた歴史的名作だといえるのかもしれませんね。